アミノ酸スコアって何?

アミノ酸は大きく分けると人間の体内で作ることができない「必須アミノ酸」と体内で作ることができる「非必須アミノ酸」の2種類があります。このうち必須アミノ酸は体内での生成ができないため、食事などを通して摂取する必要があります。

必須アミノ酸は摂取するべき必要量が定められています。この必要量をもとに各食品に必須アミノ酸がバランスよく含まれているかを数値化したものがアミノ酸スコアです。スコアは最高が100で100点に達している食品は質のいいたんぱく質だということができます。

アミノ酸の桶理論

アミノ酸スコアの高い食品を摂取できれば必須アミノ酸を体内に取り入れることができます。しかし、ここで注意して欲しいのはバランス良く摂取しなければいけないということです。

必須アミノ酸は「イソロイシン」「ロイシン」「リジン」「メチオニン」「フェニルアラニン」「スレオニン」「トリプトファン」「バリン」「ヒスチジン」の9種類から構成されます。

この9種類のアミノ酸がしっかりと摂取できたときに質の良いたんぱく質が体内で生成されることになります。もし、どれか1種類でも十分に摂取できなければ質の良いたんぱく質を作ることができないのです。

もう少し詳しく説明しましょう。アミノ酸スコア100の食品を摂取することができれば、100点分のたんぱく質を生成することができます。一方で、例えば「ロイシン」だけ少し不足してしまうと、いくら他の必須アミノ酸をしっかり摂取していてもロイシンが不足しているので、ロイシンの摂取量を基準としたたんぱく質しか作ることができません。そうなると他のアミノ酸をいくら摂取していてもロイシンと同じ摂取量分しか活用することができないのです。

このことは、各必須アミノ酸のアミノ酸スコアを桶の板に見立てて、1枚の板が短いと他の板が長くてもその分しか水(たんぱく質)を貯めることができないことから「アミノ酸の桶理論」と呼ばれています。

この理論からもわかるように必須アミノ酸はバランス良く摂取することが重要なのです。

アミノ酸スコアの高い食品

以下にアミノ酸スコアの高い食品をまとめてみました。

 食品アミノ酸スコア
穀類精白米61
玄米64
そば(生)61
肉類和牛サーロイン100
鳥もも肉100
豚ロース100
魚介類さんま100
まぐろ(赤身)100
かまぼこ100
卵・乳製品100
牛乳100
ヨーグルト(プレーン)100
豆類大豆(乾)100
納豆100
油揚げ100
野菜類もやし86
ブロッコリー85
カリフラワー83
果物類かき95
キウイフルーツ88

アミノ酸スコアの計算方法

最後にアミノ酸スコアを算出するための計算式について紹介します。アミノ酸スコアについては以下の式を用いればその数値を求めることができます。

食品たんぱく質の第一制限アミノ酸含有量(mg/gN)÷アミノ酸評定パターン当該アミノ酸含量(mg/gN)×100

式だけ見るとよくわからないかもしれません。これは最も足りていない必須アミノ酸(第一制限アミノ酸)を「アミノ酸評定パターン」というFAO(国際連合食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)によって示されている数値で割り、最後に100をかけるということになります。