上限を超えて摂取した場合どうなるの?
ビタミンAの過剰症には急性と慢性の2種類があります。魚の肝油を大量に摂取した場合など、一度にビタミンAを大量摂取した場合は腹痛、悪心、嘔吐、めまいなどの後、全身の皮膚落屑が見られます。
一方、週に複数回、長期的にレバーや魚の肝を食べたことで慢性の中毒症状が出た場合は、皮膚乾燥、脱毛、食欲不振、体重減少、肝脾腫、脳圧亢進による頭痛及びうっ血乳頭が示される、とされています。
厚生労働省は、特に妊娠 3 か月以内、または妊娠を希望する女性については推奨量を超えるような過剰摂取をしないよう注意喚起しています。
参照:厚生労働省、妊娠 3 か月以内又は妊娠を希望する女性におけるビタミン A 摂取の留意点等に ついて(平成 7 年 12 月 26 日付健医健第 117 号、衛新第 100 号、児母第 48 号)
摂取目安量は?
摂取目安としては、成人女性の場合ビタミンA+カロテノイドで650μgRAE以上、妊娠末期はこれに+80μgRAE摂取できればよいでしょう。その際、ビタミンAのみで2,700μgRAEを超えてしまわないよう注意しましょう。
例えばレバー類、魚の肝や肝油、うなぎや銀ダラ等はビタミンAの成分量が非常に多いため、妊娠中の摂取は控えるようにしましょう。また、サプリメントを摂取している場合は、ビタミンAやレチノールと書かれたものは摂取しないよう注意しましょう。
妊娠中にビタミンAを上手に摂取するには?
ビタミンAについては、通常の食生活でビタミンA欠乏症となることは少ないようです。意識してビタミンAを摂取したい場合は、動物製品からではなく、緑黄色野菜などからβ-カロテンとして摂取することをおすすめします。この場合、油で炒めるなど、油脂と一緒に摂取することでより吸収率を高めることができます。
現在、β-カロテンを大量に摂取した場合の健康障害はなく安全だ、という考えが一般的なようです。β-カロテンの過剰摂取で一時的に肌が黄色くなることがありますが、健康に害はなく、時間が経てば元に戻ります。