妊娠・出産にも深くかかわる
ビタミンDは、妊娠や出産、胎児の健康との関係についても数多くの論文が発表されています。その多くがビタミンDの不足と男性不妊、女性不妊、不育、妊娠中の合併症に関係がある、とするものです。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)にビタミンDが有効、という論文はかなりの数あるようですが、日本ではあまり知られていない内容です。その他にも月経困難症の改善にビタミンDが有効、という実験結果もあるようです。
また、京都大学が日本人を対象に行った研究によると、胎児が日照時間の短い冬の間母体で過ごす4~5月頃に産まれた赤ちゃんは、11月に産まれた赤ちゃんに比べて頭蓋癆が認められる割合が高いことや、頭蓋癆が認められた赤ちゃんの6.9%に、生後1ヵ月時点で血中副甲状腺ホルモンの異常高値が見られることがわかっています。
京都大学では上記の結果はビタミンD欠乏による他の症状と同じく季節による日照時間の変動が影響しているもので、正常新生児と頭蓋癆はビタミンD欠乏症と関連していると考えられる、としています。
その他にも、ビタミンDの欠乏は赤ちゃんに様々な影響を与える可能性があります。
乳児期の一過性の潜在性ビタミンD欠乏症が将来の1型糖尿病のリスクを3倍に上昇させる、あるいは9歳時点で測定した骨量が明らかに低い
引用:京都大学
このように、ビタミンDは妊娠したい男女や妊娠中の女性、胎児、乳児にとっても非常に重要なものであるといえるでしょう。